<レシピ/動画つき>スモークチーズときのこのリゾット

この記事を書いた人

芦屋香織

(年齢:40代 出身:大阪府) 旨口の日本酒にはまるECサイト担当。甘口でも辛口でも。

スモークチーズはちょっぴり贅沢感もあって、どんなお酒にも合う人気のおつまみ。でも、料理に使うとなるとちょっとアイデアが浮かばないかもしれません。そこで今回はスモークの薫りを生かしたリゾットに仕立ててみました。手軽に作れて栄養価が高いので受験生のお夜食にもおすすめです。

2層の薫りをイメージした二段仕込み

一般にスモークチーズというと、外側が濃い茶色い皮のようなもので包まれている形状を思い浮かべると思います。これは、温燻製によって2-3時間燻すことで、外側に濃い茶色の皮のようなものができあがるからです。

この製法で作ったスモークチーズの表面には、比較的クセの強い燻製臭が残ります。ですから、人によっては苦味に感じられたり、スモークチーズはちょっと苦手とおっしゃる方もいるようです。

そこで、弊社では、冷燻製と温燻製の2種類の燻製法を組み合わせた二段仕込み、すなわち「ハイブリッド製法」を生み出しました。2つの燻製方法を組み合わせることで、しっかりとした燻製風味をつけながらもクセのない、まろやかな味わいの極上のチーズに仕上げています。

スモークチーズ -燻製2段仕込み-
スモークチーズ -燻製2段仕込み-

これぞ「燻製専門店だからこそできる技」と自負しております。

製法はといえば、まず、冷燻製を行います。温度を上げずにゆっくりと燻すことで、トゲのない薫りをつけていきます。そしてその後、温燻製に。

こうして、冷燻製に2日間、温燻製の1日、合計3日間かけて丁寧に燻します。

一口食べれば違いがわかる! 苦味のない芳醇な薫香

ハイブリッド製法による、苦味のない、まろやかなスモークチーズ。

短時間、強く燻して薫香をつけたものや、燻液を使用したスモークチーズとの味の違いは、一口食べていただけるとすぐにわかります。

10月に出店した和酒フェスでは、すぐにつまんでいただけるよう1.5㎝角のダイスカットにして販売したところ、「香ばしくて、燻製の香りが豊か!」ということで、大人気となりました。

スモークころチー

そんな今や大人気の商品となったスモークチーズですが、実はこの製法にたどり着くまでに失敗もいろいろありました。

スモークチーズを製造するきっかけは、温燻製の機械を導入したことでした。それまで魚介の冷燻製を長く行ってきましたが、サバをスモークするために温燻製の機械を導入したので、せっかくだから「スモークチーズも作りたい!」という声が社内から上がりました。

ところが、これがそう簡単にはいかなかったのです。チーズを温燻製機に入れればできるだろうと考えていたのですが、いざ、試してみたらみんな溶けてしまって大失敗。これがスモークチーズ作りの第一歩でした。

失敗スモークチーズ

それから、さまざまなチーズを用意して試作に挑む日々…。でしたが、どのチーズも挑戦するたびに見事に溶けてしまったのです。今思い返すと、とてもよい思い出ですが、当時は「どうしてうまくいかないんだろう」と頭を悩ませました。

失敗スモークチーズ

そして、頭を抱える毎日の中、試行錯誤を重ね、あるときふと「冷燻製の窯があるのだから、重ねがけをしてみてはどうか、、、」と思い立ちました。試してみると、これが実にうまくいったのです。ということで、その後はさらに試作を重ね、スモークチーズがようやく完成しました!

食べる前にに冷蔵庫から出して室温に

そんな私たちの思いが詰まったスモークチーズ。ぜひ最高においしい状態で食べていただけたらと思います。

まず、チーズの保存温度と食べ頃温度は別物ということを覚えておいてください。冷蔵庫の保存温度ですと、食べるには冷えすぎて硬い状態になっています。食べる前に冷蔵庫から取り出して、ゆっくり室温(25℃前後)に戻しておくのがおすすめ。食べ頃の食感になります。

また、5mm厚くらいに切ると口溶け・風味・味わいをよりいっそう楽しんでいただけます。

食べごろスモークチーズ

さて、今回はリゾットにしてみました。

具材は玉ねぎときのこのみ。チーズの旨みを生かすため牛乳やクリームは使わずコンソメで煮て、煮上がる直前にさいの目に切ったスモークチーズを加えます。こうすることで、スモークチーズの風味が生きたクリーミーなリゾットに仕上がります。

味つけは控えめに。きのこの旨味ととろりと溶けたチーズの香薫、チーズの持つ塩気でいただきます。仕上げにパセリのみじん切り、お好みで、香りのよいオリーブオイルを回しかけるとさらに風味豊かになります。

スモークチーズの豊かな風味とともに、きのこのそれぞれの味わいと食感を楽しんで。

スモークチーズときのこのリゾット

スモークチーズときのこのリゾット

■材料(2人分)
米 1合
スモークチーズ 1パック
しめじ、ひらたけ、舞茸などのきのこ 150~200g
玉ねぎ 1/2個
バター 10g
塩 適量
こしょう 適量
オリーブオイル 大さじ1/2
白ワイン、または日本酒 適量
コンソメ(顆粒) 小さじ1
熱湯 約1000ml
パセリ(刻む) 適量

【栄養情報(1人あたり)】
エネルギー 538kcal
たんぱく質 18.6g
脂質 21.7g
炭水化物 68.9g
食塩相当量 2.8g

スモークチーズときのこのリゾット

 

 
https://youtu.be/GVlaHtNKEd0
 

■作り方
①スモークチーズを1㎝角にカットし、きのこは適当な大きさに割き、玉ねぎはみじん切りにしておく。

②フライパンにバターを溶かしてきのこを炒める。
軽く塩、こしょうをし、表面に薄く焦げ目がつくまでよく炒め、皿に取っておく。

③フライパンにオリーブオイルを入れて中火にかけ、玉ねぎを透き通る程度に炒める。

④③に米を加えて混ぜ、コンソメ、白ワイン(または日本酒)を適量加える。

⑤米がかぶる程度に熱湯を加えて中火で煮る。
ときどき静かにかき混ぜ、常に米が浸る程度に熱湯を足しながら15分程度、米が好みの固さになるまで煮る(熱湯は全量使わなくてもよい)。

⑥煮上がる直前に炒めたきのこ、チーズを加えて混ぜる。

⑦器にもり、刻んだパセリを散らし、好みでオリーブオイルをかける。

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芦屋香織

(年齢:40代 出身:大阪府) 旨口の日本酒にはまるECサイト担当。甘口でも辛口でも。