キングサーモンとはその名の通り「鮭の王様」。サイズが大きいのはもちろんのこと、その味の点からいってもやはり「キング」と呼ばれるにふさわしいおいしさですね。今回はニュージーランド産のキングサーモンを使用したスモークサーモンをセロリと合わせてマリネにしてみました。色どりに加えた食用菊は、季節によってディルなどのハーブと置き換えてもOKです。
もくじ
とろける食感と濃厚な旨味はまさに「王様」の味わい
キングサーモン(和名:マスノスケ)の平均体長は85cm前後、サケ類の中で最大級。20kgを越えるものもあるといわれています。そして、「王様」と呼ばれる理由はその大きさだけではありません。おいしさも最上級。とろけるような食感と濃厚な旨みが魅力です。

そして、天然もののキングサーモンといえばアラスカ産や北海道産が有名ですが、現在では流通量がとても少なく、希少性の高い魚。値段も高価です。
私たちもなかなか天然もののサーモンを食する機会は少ないのですが、20年ほど前に神戸のホテルにて開かれた「シェフの集い」と題されたイベントにて、弊社でスモークしたアラスカ産キングサーモンがふるまわれたという機会に、試食することができました。

そして、そのおいしさといったら…。今でも忘れられない味です! 私がこれまでに食べたサーモンの中で、最高のおいしさだったと記憶しています。口にした誰もが「おいしい!」と喜んでくださっていました。
ただ、残念なことに、その翌年も注文をいただいたのですが禁漁で入荷がなく、さらにその後数年間ほど禁漁が続き、現在も残念ながら取り扱っていません。
現在、世界の市場に出回っているキングサーモンの多くは、安定供給が可能な養殖もの。そして、世界で養殖されているキングサーモンのうち、約半分以上がニュージーランド産です。
クリーンな環境で育ったサーモンを無添加で冷燻製に
当社のキングサーモンのスモークには、ニュージーランドの広大な自然に近い環境で育てられたキングサーモンを使用。身が引き締まっていて脂のりが良く、トロのような味わいを生かすよう、化学調味料や保存料などを使用せず燻製。当社独自の冷燻製法で、しっとりとしていて滑らか&艶やかな食感に仕上げています。

味付け後に2日ほど冷蔵庫に入れ、味を調えて馴染ませながら熟成させます。その後、約50年も使い続けている唯一無二の燻製窯で2-3日の間、燻製窯の中で風乾と燻煙を2~3回繰り返してゆっくりとなじませながら安蒸(あんじょう)していきます。
しっかりと燻製されているにもかかわらず、ゆっくりと時間をかけて燻しているため、煙独特のいがらっぽさはありません。

キングサーモンは、お刺身で食べると、脂ののったとろけるような食感が前面に感じられますが、燻製にすることで余分な水分が抜けて旨味が凝縮され、しっかりとした身の食感とともに旨味がより強く感じられるようになります。

サーモンの薫香を生かすよう、くせのないオイル&ビネガーを使用
今回は、シャキシャキ食感が楽しめるセロリと玉ねぎと組み合わせたサラダをご紹介します。サーモンの薫香とセロリの爽やかな香りのコンビネーションが絶妙です。
また、それぞれの素材の香りを邪魔しないよう、ドレッシングの油分には、グレープシードオイルや太白ごま油、こめ油などのくせのない油を使用するのがポイント。酸味もレモン汁か米酢を使ってさっぱりと漬けます。
色どりにケイパーを刻んで混ぜ、今回は、秋冬の季節感を出すよう黄色の食用菊を加えました。食用菊の代わりに細かくしたディルを混ぜてもよいでしょう。

<レシピ>ニュージーランド産キングサーモンの燻製とセロリのマリネ

■材料(2人分)
セロリ(茎) 1本
スモークサーモン(キング) 1パック
たまねぎ 1/2個
ケイパー 大さじ1~1と1/2
黄菊 適量
(マリネ液)
太白ごま油 大さじ3
砂糖 小さじ2
塩 ひとつまみ
【栄養情報(1人あたり)】
エネルギー 245kcal
たんぱく質 5g
脂質 23.5g
炭水化物 8.2g
食塩相当量 0.8g

■作り方
①マリネ液の材料を合わせておく。
②セロリは斜め薄切りにする。

サーモンは1㎝幅、たまねぎは繊維に沿って薄切りにする。
③ボウルに②とマリネ液、ケイパーを加えて混ぜる。

冷蔵庫で30分~2時間くらい漬け込む。
④好みで酢水でさっとゆでた黄菊を加えて、ざっくりと混ぜ、皿に盛りつける。